節約地獄
金が無い。
いや、正確にはあることはある。
ただ何も考えず浪費するとなくなる程度にしか無い。
だから、常日頃から節約して生きている。
飯を食うにも、安いもの、コスパの良い物。
服を買うのも安いもの。
トイレットペーパーも歯ブラシも安いもの。
節約地獄である。
節約して、お金ためて海外旅行行くんだ〜。
と言ったようなHAPPYな節約ではない。
炭鉱夫が落盤事故で地下に閉じ込められて、残り少ないカンバンをチビチビとかじって生きながらえる節約だ。
さらに、救助の手は伸びてきていない。
いつ助かるか、助けられるかは分からないが、とにかく乾パンかじって、ただ長く生きようとする節約だ。
時々、思う。
この残りの乾パンを全部腹いっぱい食ってやろうか。
どうせチビチビ食って長生きしたって、救助されるかなんて分からない。何なら、よっぽどの奇跡でも起きない限り、地下で一生を終える確率のほうが高いだろう。
ならば、腹いっぱい食って死んでしまったほうが幸せかもしれない。
その一歩も踏み出せず、今日もチビチビ乾パンをかじって暮らす。
希望なのか、諦めなのか、なぜか長く生きようとしてしまう。
ただ、チビチビと節約して生きていくのは地獄である。